「たまたま」出演者、山中志歩さんにインタビュー!

市民スタッフFです。
ざくざくと日々演者さんのインタビューが公開されておりますが(今回、総勢16名の役者さんが出演されます!)、今回は“主人公の女の子”という重要な役どころを担う、山中志歩さんにお話を伺いました。

 

f:id:tamatamatama2017:20170801214412j:plain山中志歩  1993年生まれ。三重県出身。無隣館3期俳優部に所属している。主な出演作品は、劇団子供鉅人「モータプール」、ミエユース演劇ラボ「マチマチのオムニバス」構成・演出 岩井秀人さん、ネオンホールプロデュース「四色定理のセブンス・コード」作・演出 柴幸男さん、五反田団「新年工場見学会2017」、北九州芸術劇場プロデュース「しなやか見渡す穴は森は雨」作・演出 ノゾエ征爾さん、等の多数の作品に出演。

 

 

多摩ニュータウンに来る前のイメージと、実際に街を歩いてみて感じた違いなどありましたか?

 

多摩川って、埼玉とかに流れている河だと思ってました(笑)

 

ー埼玉!?なぜ??(笑)

 

春日部とかの方だと思ってたんです。なぜか(笑) 
多摩ってすごい遠い所だと思っていたんですが、意外と近いんだ、という印象です。
多摩センターにはオーディションで初めて来ました。

 

ー多摩の街の印象はどうですか?

 

多摩ニュータウンの街づくりの過程の話を聞いて、私の出身は三重県の田舎の方なんですが、「そういう作り方やだな」って思ってたんですけど、最近は、多摩にも人がいて、三重にも人がいて、「何も変わらないんだな」って。みんなが一生懸命生きてるだけだ、って思うようになりました。多摩センター駅周辺の通りの、レンガの道を作る作業をしてる写真があって、それを見てそう思いました。

 

ー山中さんの中では特殊な街、という風には映らなかったんですね。
山中さんは三重県ご出身ですが、ご自身が生まれ育った故郷についてはどう思われますか?

 

もうほんとに、引くほど田舎で。田んぼしかない。田んぼと空、みたいな。(建物が)何もないので数百メートル先の景色も見えるんです。
先祖代々住んでいて、周りの人は親戚の人ばかりで、みんな「山中」っていう姓で。

 

ーそういうコミュニティの中で生きていくのはどうでしたか?

 

私は18歳まで三重にいたんですが、自分は子供だったので、あんまりわかっていなかったですね。村八分とかあったかもしれませんが。自分の中では、それが自然な環境でした。
あとは、「文化がない」。

 

ーああ、文化が。

 

映画も演劇も知らないし、知っているのはテレビの中の情報しかない、という感じで。両親とも三重県の人で、親からも文化的なものは受け継いできていないですね。

 

ーたしかに、“文化的資本”って親や周りの環境から得られる部分が大きいですもんね。

 

子供の頃に劇団四季とか連れて行ってもらわなかったです。

 

ーそんな中で、なぜ山中さんは演劇をやるようになったんでしょうか。

 

高校演劇から初めて、高校2年生のときに、NODA・MAPの「南へ」っていう作品を観に行ったんです。高校演劇で野田秀樹さんの台本を演っていたので、野田さんの本物の舞台を観たくて。で、観に行った次の日が東日本大震災で。ギリギリ観られたんです。

 

ーすごいタイミングで観ることができたんですね。
そのNODA・MAPを観たことがきっかけで、演劇の道を選ぶことを決められたのでしょうか。

 

そうですね。アンサンブルの方がいっぱい出てくるんですが、私は高校で目立つ存在でもなかったし、どっちかというハブられてるみたいな感じだったんですが、NODA・MAPのアンサンブルの方たちを観て、「あ、色んな人がいる。すごい!」、って思ったんです。オーディションに3回落ちましたが(笑)。

 

ーその3回オーディションを受ける心意気が素晴らしいと思います!
では、「たまたま」の舞台についてお聞かせください。
ご自身の役どころを教えてもらえますか?

 

私が演じるのは、多摩ニュータウンに生まれ育った小学一年生の女の子の役です。
今聞かれて、役のことあんまり考えてないな、って思いました(笑)。かっこつけてるわけじゃないんですが、「自分」って感じです。自分そのままで演っている感じがあります。

 

ーそうなんですね。だから「考えてない」んですね。

 

そうですね。(共演する役者の)みなさんがいろんなことをやってくださるので、それを(役と)一緒になって驚く、っていう感じです。

 

ー受ける側、という感じでしょうか。

 

そうですね。それが新鮮でたのしいですね。

 

ーでは、最後に観に来てくださるお客様へメッセージをお願いします。

 

多摩じゃなくてもいい、多摩に限定しなくてもいい、と思っていて。街が生きていく、人も生きていく。それがたまたま「多摩」だった、というお芝居だと思います。人が街を作っている、その「街づくり」の部分が面白いと思います。街と人が一緒に成長していく姿が。 ……ご期待ください!(笑)

 

ー期待しています!ありがとうございました!

 

 

写真を撮るときに、山中さんがちょうど髪を結び直そうとしていて、そのポーズがかわいかったのでそのまま撮らせていただきました(笑)。

稽古場でも何度か拝見させていただきましたが、山中さんが演じられる小学生の女の子、とっても魅力的なんです。ちょっと「千と千尋の神隠し」の千尋を思わせるような、思わず「がんばれ!」って応援したくなるような。
彼女と一緒に、ぜひ多摩のワンダーランドへ迷い込んでみてはいかがでしょうか。
ぜひご期待ください!

 

《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」

 8月4日(金) 19時30分開演

 8月5日(土) 14時開演/19時開演

 8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール

 http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html

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