「たまたま」出演者、目次立樹さんにインタビュー!

こんにちは、市民スタッフFです。
「たまたま」出演者インタビュー、今回は目次立樹さんです!

f:id:tamatamatama2017:20170801000527j:plain目次立樹
1985年生まれ。島根県出身。劇団ゴジゲン所属。主な出演作は、ゴジゲン『ごきげんさマイポレンド』『劇をしている』、舞台『イヌの日』、結城企画『ブックセンターきけろ』、『トリスタンとイゾルデ』、北九州芸術劇場プロデュース『しなやか見渡す穴は森は雨』などがある。2017年7月にはゴジゲン番外編『なんかすごいSF的なやつ』演出・出演、8月にはto R mansion『にんぎょひめ』脚本を予定している。

 

 

ー多摩の街を実際に歩かれてみて、どんな印象をお持ちになりましたか?

 

僕、小さい頃に団地にすごく憧れていたんです。

 

ーへー!珍しいですね(笑)どうしてですか?

 

団地の子たちって、めちゃくちゃ仲いいんですよ。<団地の子たち>と僕、ってなったときに距離を感じるんです。球技とか、人数がいないとできない遊びになると団地の子たちはすごく上手いんですよ。僕は球技が苦手だったので、なおさら彼らとの距離を感じました。なんか、団地の子たちって“イケてる感じ”がしたんです。

 

ーそのイケてる感じは、多摩ニュータウンからも感じましたか?(笑)

 

きっとこの街に住んでた子たちって、イケてたんだろうな、って思いました(笑)

 

ーほんとにそう思ってます?(笑)

 

みんながみんな団地に住んでる、って感じなんですか?

 

ー私の場合、小学生の頃は団地に住んでいる子がほとんどでしたが、途中で駅近にできた新築のマンションに引っ越していく子とかもいましたね。そういう地域内格差ができつつある頃に子供だったのですが、引っ越していく子がうらやましかったですね(笑)で、多摩の印象についてお聞きしたいのですが……。

 

そうでしたね(笑)。多摩の印象。キレイすぎるような印象はあります。僕は島根県の松江出身で田舎に住んでいて、自然ってもっと雑なはずなんですが、ニュータウンはデザインされた街なので、自然もあるけれどキレイすぎる、という感じです。

 

ー「キレイすぎる」、なるほど。

 

僕は田舎で生れ育って、上京して東京でも暮らしていたんですが、東京の暮らしが少し嫌になってしまって、震災以降思うところもあって、戻ったんです。そういう経験もあって、多摩ニュータウンの景色はちょっとさみしい気がしました。

 

ーさみしい、というのは?

 

ここまで人の手を入れてもいいものか、というか。

 

ーここまで計画的に作られてしまっていいんだろうか?という感じでしょうか。

 

そうですね。なので、そこがちょっとさみしい気がしました。

 

ー私は高校生のとき、違うエリアに住んでいる友達と、その子が住んでいる団地の中を夜中に徘徊したことがあって。

 

なんか青春ですねぇ。

 

ーそうですね。高校2年の夏休みでした。青春の1ページです(笑)。そのときに、団地内がすっごく静かで、ゴーストタウンみたいで、自分たちが大きな模型の中に迷い込んでしまった、っていうような感覚を味わったんですね。そしてさらにその模型を上から俯瞰して視ているような感じもあって。こういう感覚も、ある意味「ここまで計画的に作られていいんだろうか」の、ひとつの例なのかな、って、今目次さんのお話を聞いて思いました。
では、作品についてお聞かせください。
「たまたま」で目次さんが演じられる役柄について教えていただけますか?

 

僕が演じるのは公団側の人間で、「多摩ニュータウン計画を推し進める側」です。 多摩の景観を作る側なので、ある意味僕にかかっているような気がするんですよ(笑)

 

ー重要な役どころですね!

 

そうですね、自分で言うのもアレですが(笑)。多摩ニュータウン推し進めた人間を、僕が悪く描けば、お客さんの目にも悪く映ってしまうので(笑)

 

ーでも、推し進めてくれたおかげで、たくさんの人が住めましたから。自信を持って推し進めてください(笑)

 

そうですよね。いきますよ、僕は!(笑)
全然話変わるんですが、実は僕も多摩にお世話になったことがあるんです。

 

ーえ?どういうことですか??

 

僕、島根から大学受験するときに東京の都心のホテルに滞在して受験したんです。それで、気が狂いそうになって(笑)。ホテルで缶詰めな状態とプレッシャーとで。母親に泣きながら電話したりとかして。

 

ーすごく情緒不安定になってしまったんですね。

 

そうです。で、その当時、2歳上の大学生の姉が永山に住んでいたんです。

 

ーへー!そうだったんですね!

 

なので、姉に電話して、「ホテル暮らしがヤバくて無理なんだ」って連絡したら、「早くこっち来なさい」って言ってくれて。で、永山駅まで行って。ホームに姉が迎えに来てくれたんですが、あまりにも僕が憔悴しきっていて、その姿を見て、姉は涙が出たらしいです。それで姉の家に行って、ようやくホッと安心できて。都心のホテルから多摩の方に来たら、自然も豊かで、姉もいて。また永山の図書館がいいんですよね。勉強に集中できて。

 

ーいいですよね。私も高校生のとき利用していました。

 

おかげで大学もなんとか合格できました。多摩のおかげです(笑)。
大学に入ってからも姉の家にはちょくちょく遊びに行っていて、永山いいなぁ、って思ってました。

 

ーそんなエピソードがあったんですね。なんだか、それだけでひとつの物語ができそうですね!
では、最後に観に来てくださるお客様へのメッセージをお願いします。

 

社会派寄りかと思いきや堅苦しくなく、エンターテイメントとして楽しめる作品なので、いろんな世代に向けて間口はかなり広い作品になっていると思います。多摩在住の方が観たら絶対おもしろいと思いますし、もし観ようか迷っている方がいれば、ぜひ劇場に足を運んでみてください!

 

 

団地に憧れた少年時代、そしてお姉さんとの永山での思い出話を披露してくださった目次さん。ニュータウン計画を推し薦める目次さんの姿に、ぜひご注目ください。

目次さん、ありがとうございました!

 

 

《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」

 

 8月4日(金) 19時30分開演

 8月5日(土) 14時開演/19時開演

 8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール

 

http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html