「たまたま」出演者、前原麻希さんにインタビュー!

こんにちは、市民スタッフTです。

 「たまたま」出演者インタビュー、今回は前原麻希(まえはらまき)さんにお話を伺いました!

 

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 前原麻希 1989年生まれ。東京都出身。2012年より約4年間蜷川幸雄の元で演出助手として活動した後、2017年より本格的に役者を目指す。主な出演作として、NODA・MAP「ザ・キャラクター」蜷川幸雄演出「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~」「青い種子は太陽のなかにある」 劇作家女子会「人間の条件」、七味の一味「家族百景」。映像では、瀬々敬久監督「菊とギロチン -女相撲アナキスト-」 に出演し、2018年に公開が控えている。

 

 ―まず最初に、ワークショップで多摩センターを歩いてお芝居をつくったと思うんですけど、多摩ニュータウンの印象を教えて頂けますか。

 印象…でも本当に知らない町でしたね。同じ東京って言っても私は下町に住んでいるので…。

 ―どのあたりですか?

 江東区の方なんですけど。私が住んでいるところは車が横を走るのが当然っていうか、ちゃんとした歩道がない道も普通にあるのでそれが当たり前だと思ってたんですけど、なんかこれだけ歩道と車道が分離されてるっていうのが余りにも衝撃的で。まずオーディションからだったんですけど、その衝撃が。

 ―オーディションが初めての多摩センターですか?

 初めての多摩センターでした本当に。だから多分これがなかったら行くこともなかったし、サンリオピューロランドがどこにあるかも知らないまま、子供ができなかったら一生来なかったかもしれないし。

唐木田っていうのは千代田線乗っていると「唐木田」って出てくるので、名前だけは知っていても「あー、遠い場所なんだろうな」ぐらいだったんですけど。端っこの駅っていうのに行ったことがなかったので、車両がたまっているとか、誰もいないガラーンとしたきれいな塗装された駅が普通にあるっていう状態がすごく新鮮でしたね。なんか東京のはずなのに、違う国に来たぐらいの。

 唐木田小田急多摩線小田急多摩センターの隣の駅であり、終点。車庫がある。小田急線と千代田線は相互乗り入れをしており、千代田線綾瀬駅から「唐木田行き」という電車が出ている。

 ―そんなに!?

 はい、なんかヨーロッパって建物が違うじゃないですか。それとちょっと似たような印象。レンガ造りで、別に日本人がいるし日本なんですけど、自分が親しみ馴染んできたのと全く違う街並みだったので。ちょっと憧れた部分もありました。

 ―最初の印象が街並みの印象だったと思うんですけど、実際に市民の方とお話をしたり町の中を歩いてみて別の要素が見えたりしましたか?

 あ、でも町を歩いていくとやっぱり日本的な「どっかで見たことあるな」っていう、公園があって普通の道があって道路があって…っていう道になってきたので、奥に行けば行くほど「あ、日本なんだな」っていう感じになって(笑)やっぱり駅はちょっとお化粧されてるっていうかなんかちょっときれいなんだろうなって。

 ―サンリオ感もすごいしみたいな(笑)

 そうですよね(笑)多摩ニュータウンっていう響きを聞いてたまたま多摩センターにきて、「あ、新しい街並みなんだなこれが」っていう印象があったんですけど、お話しした市民の方も東京から来たとか地方からって方もいたので。段々距離は縮まりましたね。

 ―ちょっと歩くとなじみも出たみたいな感じですか?

 そうですね。

 ―じゃあ地元のお話をちょっと聞かせて頂きたいんですけど。多摩ニュータウンの雰囲気とはまた打って変わってっていう感じですか?

 そうですね。なんでしょうその、下町って一言で言ってしまえば下町ですし。ほんと何の変哲もない場所なんですけど…

 ―下町っていうと人情というか、なんか商店街歩きながら「おはよう!今日も元気?」みたいな感じで人のつながりが強いイメージがあってニュータウン出身の私は憧れるんですけど、そういうのあったりしますか?私は小さい頃新しいマンションに引っ越してからご近所づきあいもあまりなかったので…。

 あ、お隣さんは仲いいですね。作りすぎちゃったわとか、いっぱい届いたんだけどとかあったら、うちの母親も渡しに行ったり、そしたらお礼が来たり。で小学校も近くにあるので、子供がいて、いじめてたら「駄目だよ」って言ったりとか。やっぱりあとご近所に絶対一人はいる、うるさいおばちゃんがいるんですけど、その人の事は私大好きで。よく出かけるときに「あ、今日早番?」って。舞台だから早番とかないんだけど「あそうでーす!」とか言って。なんかそういう人が一人いて、「おはよう」とか「あんた元気なの?」とか話しかけてくれるだけでその町の治安が守られてるっていうのをすごい思って、大事だなと思ってますね。

 ―今でも地元に住んでいるということですが、出たいとはそんなに思わないですか?

 そうですね。まあ実家暮らしなので、そろそろ一人暮らしをしなきゃなみたいなことは思うんですけど…。あとまあ全然まだないですけど、結婚とかちょっと考えたりすると、なんかね、みたいな感じになりますよね。

 ―結婚して子育てするとしたら、自分の町がいいですか?

 それこそ本当に多摩センターは車の通りがないことと買い物が便利っていうことで、いやー子育てには良い町だなっていうのをずっと言ってるんですよね。

 ―買い物が便利っていうのはどういう…洋服とか?

 パッと駅見るだけで何でもあるじゃないですか。イトーヨーカドーもあれば、飲食店とかも一通りあるし、なんか不自由なさそうだなっていう気が勝手にしてるんですけど。

 ―確かに子育てには、公園もあるし良い町かもしれないですね。じゃあちょっと今回の公演の話にうつりまして、役どころなどをお伺いできますか。

 どちらかと言えば「今まであった昔の多摩をそのまま守り続けたい」みたいな役どころというか、「平成狸合戦ぽんぽこ」で言うところのタヌキのポジションになるのかなっていう感じで。移り変わっていく時代を受け入れられない人。でも時代には逆らえないし、やっぱ国が決めたことだから、抵抗はするけども流されていて受け入れていくっていう役どころなのかなという風に思ってます。

 ―最後に、観に来て下さる方に一言メッセージをお願いいたします。

 本当に歩けば好きになる町だと思うので、まず公演を観に来るっていう口実で来ていただいて、更に町を感じて頂けたら多摩を知らない方でも好きになって頂けると思います。もちろん多摩に住んでいる方にも観て頂いて、今住んでいる町に対してもっと色々思い描いたり、自分と物語の中の誰かを重ね合わせて色んなことを思い出せるような、そういう瀬戸山さんの思いやこだわりがすごく詰まっているので、是非パルテノン多摩までお越しください!

 ―ありがとうございました!

 

全くなじみのなかった町でも、そこに住む人と話して町の中を歩けば距離が縮まって自分の好きな町になる。この町のことを全然知らなかった前原さんが「多摩を好きになってほしい」と言ってくださったことを嬉しく思うと同時に、このお芝居を機に訪れたかたも同じように思ってくれたら良いなと思いました。

 さて、「たまたま」いよいよ本番が迫ってまいりました…!多摩センター、ピューロランドも温泉も公園もあります。是非、観劇にいらして、どんな町か歩いてみてくださいね!!

 

《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」

 8月4日(金) 19時30分開演

 8月5日(土) 14時開演/19時開演

 8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール

 http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html

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