いよいよ開演前日!!
いよいよ明日は『たまたま』の初日です! 私は前日(木)と初日(金)の2日間、仕事を休んでお手伝いすることにしました。土日を含め、4日間パルテノン多摩にこもります。
とりあえず正午に集合とのことなので、駅の方からパル多摩へ。土曜と日曜に開かれる祭りの準備も少しずつ進んでいるようです。
そして本日気がついたのですが、駅からパル多摩へと向かう通りは「パルテノン大通り」のはずなのに、ふと気づくと、「ハローキティストリート」という幟がズラリと並んでいます。最初はパルテノン大通りと交差してピューロランドに向かう通りかと思いましたが、そうではない雰囲気です。
何と言うことでしょう。パル多摩の手前では、「パルテノン大通り」と「ハローキティストリート」が、我こそ正統なりと主張し合っています。パルテノン多摩とピューロランド、多摩センターの二大勢力の間でこんな領有権争いが勃発していたとは怖ろしい。尖閣諸島もビックリの状況です。
ちなみに私の聞いた都市伝説によれば、多摩センターの街でキティちゃんの悪口を言うと、突然現れた黒い服の男たちによってどこかへ連れ去られ、そのまま記憶を消…おや?こんな時間に誰かが呼び鈴を鳴らしています。怖いので居留守を使って本題に話を進めましょう。
本日のメインの仕事はチラシの折り込み作業です。いつも芝居を見に行くともらうチラシ。とりわけこまばアゴラに行くと、漬け物石代わりに使えそうなほど重い束をもらいますが、あれを作る作業です。
場所は小ホールのロビー。机にずらりと並んだチラシの束。しかしこういう作業をやるのは初めてなので、どれくらいの時間がかかるのか分かりません。3時間くらいかな?と予想します。参加者は3~4人。
さて、始めると指でチラシが取りにくくて結構たいへんです。劇場でチラシをもらうと、同じチラシが2枚入っていたり、隣の人の束に入っているチラシが自分のところには入っていなかったり…ということがよくありますよね? 実際に自分でやってみると、そういうことが起きるのも無理はないことがよく理解できます。情報の取扱がこれだけデジタル化されている時代にしては信じられないほどアナログな作業。しかし逆にここまでアナログだと、何だか楽しくもなってきます。そう言えば学生の頃、これに近い形のアルバイトをいろいろしたような…などという思い出も甦ったり。
ちなみにチラシの折り込みは、このように劇場側がやるものとは限らず、チラシを入れてもらうカンパニーが自ら折り込みに来たり、専門の業者がバイトを使って代行作業をしたり、いろいろなケースがあるようです。
また折り込み作業には「東京方式」と「大阪方式」があって、「東京方式」は各カンパニーが列になり、自分たちのチラシを折り込んで次のカンパニーにチラシの束を渡していく方式。「大阪方式」は自分のチラシも他のチラシも関係なく全員でひたすら束を作っていく方式。今日の我々は大阪方式ですね。チラシ折り込み1つ取っても意外と奥が深い。
しかしなかなかチラシの山は減らない。「指サックとかメクールとかあればいいのにね…」などと話していたら、制作担当の方が事務所から借りてきてくれました。メクールです。早速使ってみました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何だこれ! 全然違うぞ!!
スピードが150%くらいアップした!!!
素晴らしい! メクールは本当に偉大な発明です。ノーベル賞とは言わぬまでも何か賞を贈りたいくらいです。本当に感激です。
その後人数は徐々に減り、最後は2人の作業になりましたが、とりあえず一区切りで16時20分! 予想をだいぶオーバーしています。ここでお弁当をいただきました。食べかけの写真ですみません。肉体労働の後でもあり、お弁当おいしゅうございました。
ついでにここで長年の疑問を尋ねてみました。「19時開演の芝居に出る役者さんって、食事はいつ頃しているのですか?」答えは「17時頃」でした。やはり開演前に食べるのですね。芝居を終えて来客への挨拶をしたりしていると22時を過ぎますから、そうでなければもたないでしょう。役者は体が資本です。
この時点でさらに1人離脱。残ったのは私1人ですが、外部団体のチラシとパル多摩のチラシを組み合わせた最終型を全部完成させるまで、残りあとわずかです。通し稽古は18時から。それまでの時間つぶしにもなるし、これっぽっちを明日に残すのは気持ちが悪い。もう全部やってしまえ!と、1人でコツコツ最後の作業を続けました。結果、17時35分に800部のチラシ束完成!! いや~、さすがに疲れた。約5時間半。3時間という読みの倍近くかかりました。やはりアナログ仕事は時間がかかります。
ちょっと外に出てみたらビックリ。さすがに写真に写すのは無理でしたが、パル多摩の前を多くのトンボが飛び交っています!! もうそんな季節なのか…としみじみ。多分日が傾いて涼しくなった夕方に出てくるのでしょう。夕方にパル多摩~多摩中央公園にいらっしゃる方は、無数のトンボに出会える可能性がありますので、どうぞお楽しみに。
そして18時から、いよいよ初めて見る『たまたま』の通し稽古。感想は…初日前に言えるわけないでしょ!(笑)。
ただ1つ、出演者がインタビューで口々に言っていた「普段の瀬戸山美咲/ミナモザの瀬戸山美咲とはまったく違う作品」というのは本当でした。シリアスからコメディ、ファンタンジーまで何でもありのオモチャ箱のような作品を、どうぞお楽しみに。初日は明日、8月4日(金)19時30分からです!!
P.S.
「多摩センターで何を食べれば良いのか?」の記事でオススメしたトレーノ・ノッテは、パル多摩の向かって右側の入り口から入り、すぐ左脇にあるエレベーターから行けます。カフェは4階、レストランは5階です。
市民スタッフのマサトでした。
《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」
8月4日(金) 19時30分開演
8月5日(土) 14時開演/19時開演
8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール
http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html
https://twitter.com/tamatama201708
ご鑑賞の前にオススメ>『たまたま』年表
『たまたま』は多摩ニュータウンの歴史をベースにした物語です。実はそれだけには到底収まらない、様々な要素を盛り込んだオモチャ箱のような作品なのですが、ともあれ多摩ニュータウンの歴史がバックボーンとなっていることに間違いはありません。
そこで当日パンフには、作品理解を助ける意味もあって、『たまたま』年表が組み込まれます。
しかし、歴史的な題材を扱った芝居で、このように当日パンフに年表や歴史用語集が入っていることが時々ありますが…開演前のバタバタした時間に、暗い劇場内で細かい字が並んだ予習資料を読むの、ツラくないですか? 入場がギリギリになったりすれば、そもそも読んでいられません。そういうことがあるたびに、「予習が必要な作品なら、その資料、事前にネットで公開してくれよ!」と思ったりしませんか? 私は思います。
そんなわけで、すでに初日ではありますが、『たまたま』年表をこちらで事前に公開いたします。
全ての要素が直接 物語中に出てくるわけではないので、歴史の授業のように細かく覚える必要はありません。
ただ「多摩ニュータウンの建設が決まったのは、今から約50年前。東京オリンピックの少し後なんだ」とか
「でも入居が開始されてから数年間は鉄道の駅が無かったのか。ずいぶんいい加減だな~」とか
「パルテノン多摩もピューロランドもココリアの建物(旧そごう)も、バブル時代の末期に作られたのか。道理で豪華なわけだ」とか
「ニュータウンの開発事業自体は11年前に終わったのね」とか、
そういった主なポイントを、ご自身の人生と照らし合わせる形で、何となく覚えておけば大丈夫です。
ただし1つだけご注意。「1億円拾得事件」だけは、できればウィキペディアなどで概容を簡単に把握しておいた方がいいと思います。これは作品の重要なモチーフの1つになっているのですが、多摩ニュータウンには直接関係無い上に、もはや覚えている人もあまりいない事件。そのため普通に年表を見ても、右目から左目へと抜けていきそうです。しかし全く予備知識無しで見ると、「なぜ突然1億円?」と序盤でつまずく可能性がありますので、ぜひ事前にチェックしておくことをオススメします。
画像はパソコンやスマホでダウンロードすれば拡大して見られるはずです。多摩ニュータウンの50年以上に及ぶ歴史と、その背景にあった日本の右肩上がりの時代に思いを馳せながら、『たまたま』をお楽しみください。
市民スタッフのマサトでした。
《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」
8月4日(金) 19時30分開演
8月5日(土) 14時開演/19時開演
8月6日(日) 14時開演
※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール
http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html
https://twitter.com/tamatama201708
「たまたま」出演者、中田顕史郎さんにインタビュー!
『たまたま』出演者インタビュー、今回は中田顕史郎さんです。一度見たら忘れられない強い存在感を漂わせる中田さんは、ミナモザをはじめとする瀬戸山美咲作品の常連。出演者としてだけでなくドラマターグとして創作面に深く関わり、瀬戸山作品に欠かせない右腕的な人物となっています。
1966年生まれ。神戸市出身。解散した劇団「青空美人」
―この芝居の前に多摩センター/多摩ニュータウンにいらっしゃったことは?
まだ二十代の頃、そごう(*)とかあの辺がオープンした時代ですね。バブルですからイベントとかよくやっていたんです。屋上で○○ショーみたいな。その設営のバイトで行ったのを覚えてますね。一番最初はその時だと思います。バイト代は、1日で8000円とか1万円とか、そんなもんじゃなかったかな。
(* 多摩そごうは1989年開店/2000年閉店。その建物が現在のココリアに受け継がれている)
―するとそれは20世紀の話ですね。では久しぶりにいらっしゃって、どんな感じですか?
う~ん…駅からパルテノン多摩までのズーンとした道、「パルテノン」というネーミングのセンスと相まって、人工的な印象、そしてちょっと浮かれている印象を覚えます。僕は故郷が神戸ですから、ニュータウンと言うと千里(*)になるんですよ。でも千里とは、やはりだいぶ違う印象ですね。
(* 大阪の吹田市と豊中市にまたがるニュータウン。建設時期は多摩ニュータウンよりも約10年早いため、多摩の都市計画にも大きな影響を与えたとされる)
―それはどんな風に違いますか?
今回ワークショップで(多摩ニュータウンを)歩いたりしてよけい思ったんですけれど、やはりすごく計画的に作られているんです。千里の方が、あまり綿密な計画性無しにどんどん住宅を作っているのとはだいぶ違います。まあ千里も、今また変わり始めてるんですけど…
ともかく多摩は、緑豊かだけれど人工的に作られている印象ですね。今回の脚本にも出てくるんですけど、開発の時、一回緑を全部引っこ抜いて、更地にして、それからわざわざ木を植えている。決して悪い意味ではなく、とにかく「計画されている」ということを感じさせます。電柱も無いし、車は走ってない。やはり意図しないと、ああいう風景にはならないわけで、歩いてみると、それが体感出来ますね。コンビニ少ない、自動販売機も少ない…(*)
他の、駅を中心にダラッと成るように成った町とか、電鉄会社中心に開発された町とは違う。昔で言う公団住宅の町、高島平なんかとも違う。同潤会系とも違うし、最近の光が丘とか豊洲とか、ああいうところとも全然違う。
高度経済成長に突入する手前の、ある種の理想というか「こういう良い町を作ろうよ」というのも感じられる。そして「昼間はオトンは働きにいくものでしょ」という時代の、オカンと子どものベッドタウンという性格…その2つを凄く感じます。だから「生産する場所」があまり無いんですよね。消費する場所も、実はそんなに無いし、意外と珍しい場所なんじゃないかなという気がしました。
(* 住人として念のため注釈しておきますと、これは多摩中央公園を中心とした歩車分離が整備された地区の話で、そこを少しでも離れると車と歩行者が入り交じった道も多く、逆にそういうところは200mごとにコンビニがあったりします。完全に計画された部分以外は、意外とダラッとしています(笑)
―中田さんは、この作品ではどんな役柄なんでしょうか?
残念ながら、僕ととみやまさんの役は、まだ本が書かれていないので…(*)
(* このインタビューが行われたのは7月21日。その後完成した台本を読むと、中田さんととみやまあゆみさんの二人による大きな見せ場があります)
―ああっ! そうなんですか(笑)。
みんな何役かを兼ねますけど、いわゆる本当の役(メインになる役)は、僕たちはまだなんですよ。今 役柄表で予告されているもので言うと、僕は団塊の世代を象徴するような人物ですね。
―では最後に、この作品にいらっしゃるお客さんに向けて何かメッセージなど。
最初は、多摩の方々の証言、多摩のいろいろな事象、それらを元にしたドキュメンタリータッチの作品になるだろうと思っていたんです。でもその一方で、2時間のお芝居を楽しく見て欲しいという部分もあり…多摩に住んでらっしゃる人が見に来て、「おぉっ!」とか「ああ、なるほど」とか「あるある!」とか「住んでいたけど、そこは気がつかなかったな」とか…そんな風に楽しんで欲しいと思いながら作っています。そのために、ドキュメンタリータッチだけでは終わらない1つの大きな仕掛けを、作品の軸として用意しています。その仕掛けに加え、「これは多摩のこの辺の話かな?」とか「60年くらい前の話かな?ここは今の話だな」とか考えながら見ていただくと、楽しめるんじゃないかと思います。
また、多摩以外のお客さんには、多摩ニュータウンに対して抱いているイメージを引っ繰り返すような効果があるかもしれません。でもそういう事にとどまらず、「生きる」とか「町を作る」とか、「自分が住んでる町が好きなんだけど、ああいう気持ちって何なんだろう」とか〈町と私〉みたいなものを、もう一度考えるきっかけになるかな、と。そこには「家族」とか「人への思い」みたいなものが必ず含まれるはずで、そういう部分に触れられるような芝居として作っています。
★実は中田さんには、このインタビューの途中で「ドラマターグの役割」に関する話を伺っています。しかしそれが非常に長く(今回掲載した分とほぼ同じヴォリューム)、多摩ニュータウンや『たまたま』という作品に直接関係する内容でもないため、一度切り離すことにしました。そちらはインタビューの「番外編」のような形で、また後日掲載したいと思います。ひょっとすると上演が終わってからになってしまう可能性もありますが、演劇の創作や組織論に関する興味深い話題が盛り込まれていますので、どうぞお楽しみに!
市民スタッフのマサトでした。
《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」
8月4日(金) 19時30分開演
8月5日(土) 14時開演/19時開演
8月6日(日) 14時開演
※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール
http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html
「たまたま」出演者、小林あやさんインタビュー!
こんにちは。「たまたま」市民スタッフのしおりです。
今回は「たまたま」にご出演される、様々な視点で演劇界の活性化を担っている小林あやさんのインタビューを行いました。
小林あや
1971年生まれ。'92年より流山児★事務所に10年在籍。現在はフリーで舞台や映画に出演する他、演劇教育や市民講座のワークショップファシリテーターも行っている。主な出演作品に「おんな・三匹!」流山児★事務所(演出 ラサール石井)「燈臺」t.p.t(演出 デヴィッド・ルヴォー)「小さな水の中の果実」椿組(作.演出 鄭義信)「だるまさんがころんだ」燐光群(作.演出 坂手洋二) 「風が吹いた、帰ろう」桃唄309(作.演出 長谷基弘)映画「竜宮、暁のきみ」など。
【多摩ニュータウンは綺麗で穏やかで明るいイメージ】
―あやさんは多摩にあまり馴染みがないということですが、ワークショップで街歩きをして多摩ニュータウンに対してどういった印象をお持ちになりましたか?
なんか、綺麗だなあっていうのが、まず、あって・・・廃れているというイメージがあったりとか、空き家があるとか、古くなっているとかを聞いていたから、もう少し、本当にもっと廃れているって感じなのかなあって思っていたのですけど、すごく綺麗で、みんなが公園でピクニックしていたり、(街の人が)挨拶してくださって、穏やかで緑が多くてっていう・・・明るいイメージでしたね、思っていたより。
―思っていたより(笑)
そう!
―なんか、パルテノン多摩の5階のレストランのお酒も美味しかったですよね(笑)
そうだよね!あそこ、いいよね!(※)
※第二回ワークショップ終了後、有志で食事をしまして、質とサービスの良さに全員感動したお店。「たまたま」観劇後に食事するのにおススメです
―私、また行きたいなあって(笑)
行きたいよね!(笑)本番中に行きたいと思っています(笑)。
あと、聖蹟桜ヶ丘に友達が住んでいて遊びに行ったことがあったのですが、聖蹟桜ヶ丘と多摩センターでは全然イメージが違くて。
―どう違うのですか?
多摩センターは一軒家的なものが少なかったり、団地が多かったりしたのですが、聖蹟桜ヶ丘は一軒家がすごく多かったりしたので、同じ多摩市でもイメージが全然違うなって思いました。
―あやさんが住んでいる街との多摩ニュータウンで違いとかありますか?
私が住んでいるところは、結構、子供が多くて住宅街で学校や保育園も多くて、子供たちが多い印象の街なんですけど、作られた感…綺麗さが全然違う…。多摩センターの方が綺麗で作られた感じがしますね。
―結構、皆さん、「作られた」って言葉を使いますよね。多摩ニュータウンに対して。私もそういう印象があります。
でも、どの街も自然に出来たわけじゃなくて、
【色々な出演者さんの魅力が楽しめる「たまたま」】
―「たまたま」は、みんなで作り上げていく作品という印象があるのですが、あやさんの役どころについてお聞かせいただけますか。
結構みんな何役もやる感じなんですよ。で、私も何役かやるのですが、ホントに色々やるので…。色々な役ができて楽しいですね!
―じゃあ、色々なあやさんが見れる!(笑)
そうですね!(笑)
―一人の人がいろんなことをやる中で同じ時間・空間の中で一人の人が色んな印象を与えて物語を作るってことですよね…。面白い…。
その辺も楽しんでいただけると思います。
【一人っ子は一人だけの座組】
―瀬戸山さんの作品に参加は初めてということですが、瀬戸山さんと作品を作るのはいかがですか?
そうですね。結構のんびりしていて、自由に発言できる場で、みんなが意見できる場っていうのが、すごく良いですね。
―座組の方との雰囲気はどうですか?
アットホームで楽しいですね!
あ、みんな兄弟が多くて、私だけ一人っ子なんですよ。
で、三人兄弟の方が多くて、四人兄弟や五人兄弟もいて、私は一人っ子だから羨ましくて。
―それも珍しいですね。
あと長男長女がすごく多い座組で。
―わりと面倒見が良い人が多いんですかね(笑)
そうかもしれない(笑)
―じゃあ、(座組の雰囲気は)兄弟っぽい感じになるんですかね?
どうなんでしょうね…。でも、みんな、しっかりしていて良い座組です。
【お芝居の観方は自由】
―あやさんは字幕サポートの講習会にも参加されていましたが、そのとき、おっしゃっていたことって何でしたっけ?
主役の字幕の色が決まっている、と言っていたんですよ。
私は、お芝居って誰を主役で見ても自由で、主役はこの人!
その役のキャラクターごとの色、
―字幕サポートのお芝居に参加されるのは初めてですか?
そうですね!海外に行くときに向こうの言葉で字幕が出るっていうのはありましたけど、聴覚サポートという意味で字幕が入るお芝居は初めてです。
―なんか、「たまたま」はサポート制度も含めて初めてづくしという印象があります。
講習会に参加したときに、劇作家の坂本鈴ちゃんが「多くの人にお芝居を観て欲しいという思う中に、今まで耳の聞こえない人は入っていなかったのだろうか。目の見えない人は入っていなかったのだろうか」って言ったんですよ。脳性麻痺の人は入っていなかったのだろうかって、自分ですごい考えたって(坂本鈴さんの)言葉に、そうだよねって思って…。
よく沢山の人にお芝居を観てもらいたいって言うけど、自然とそういう人達を入れてなかったのだろうか、ということは、私もすごく思って…、この字幕サポートも、もっと当たり前にあるように演劇を観られるような環境を作っていく、というのが、すごく大事だなって思いました。
【多摩市の方も多摩市以外の方も楽しめるお芝居】
―最後に観に来てくださる皆様にメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。
街ができていく、という「たまたま」というお話。絶賛稽古中でございます(※)。
今まさに、街作りのお芝居をみんなで作っている段階です。
すごくすごく面白くなりそうなので、多摩に住んでいる方以外も楽しんでいただけるお芝居になると思いますので、是非、足を運んでいただければと思います。
※インタビューを行なったのは、稽古が始まって間もなくの頃でした。
チャキチャキ姉御肌な雰囲気もありつつ、人懐っこい感じと優しみを感じる小林あやさん。
ワークショップ後の飲み会などでも、あやさんにムードメーカーとなっていただいたおかげで、和気あいあいな雰囲気だったことを思い出しました。
また、演劇の可能性についてと演劇を沢山の人に観て欲しいという思いを語るとき、小林あやさんの演劇への愛情の深さに感銘を受けました。
「たまたま」は明日からの本番3日間、駆け抜けて行きます!
「たまたま」で演劇の楽しさと面白さが伝わり、皆さんに少しでも演劇の楽しみをお届けできたらと切に願います。
どうか、よろしくお願いいたします!
《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」
8月4日(金) 19時30分開演
8月5日(土) 14時開演/19時開演
8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール
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By 市民スタッフ・しおり
「たまたま」出演者、山中志歩さんにインタビュー!
市民スタッフFです。
ざくざくと日々演者さんのインタビューが公開されておりますが(今回、総勢16名の役者さんが出演されます!)、今回は“主人公の女の子”という重要な役どころを担う、山中志歩さんにお話を伺いました。
山中志歩 1993年生まれ。三重県出身。無隣館3期俳優部に所属している。主な出演作品は、劇団子供鉅人「モータプール」、ミエユース演劇ラボ「マチマチのオムニバス」構成・演出 岩井秀人さん、ネオンホールプロデュース「四色定理のセブンス・コード」作・演出 柴幸男さん、五反田団「新年工場見学会2017」、北九州芸術劇場プロデュース「しなやか見渡す穴は森は雨」作・演出 ノゾエ征爾さん、等の多数の作品に出演。
ー多摩ニュータウンに来る前のイメージと、実際に街を歩いてみて感じた違いなどありましたか?
多摩川って、埼玉とかに流れている河だと思ってました(笑)
ー埼玉!?なぜ??(笑)
春日部とかの方だと思ってたんです。なぜか(笑)
多摩ってすごい遠い所だと思っていたんですが、意外と近いんだ、という印象です。
多摩センターにはオーディションで初めて来ました。
ー多摩の街の印象はどうですか?
多摩ニュータウンの街づくりの過程の話を聞いて、私の出身は三重県の田舎の方なんですが、「そういう作り方やだな」って思ってたんですけど、最近は、多摩にも人がいて、三重にも人がいて、「何も変わらないんだな」って。みんなが一生懸命生きてるだけだ、って思うようになりました。多摩センター駅周辺の通りの、レンガの道を作る作業をしてる写真があって、それを見てそう思いました。
ー山中さんの中では特殊な街、という風には映らなかったんですね。
山中さんは三重県ご出身ですが、ご自身が生まれ育った故郷についてはどう思われますか?
もうほんとに、引くほど田舎で。田んぼしかない。田んぼと空、みたいな。(建物が)何もないので数百メートル先の景色も見えるんです。
先祖代々住んでいて、周りの人は親戚の人ばかりで、みんな「山中」っていう姓で。
ーそういうコミュニティの中で生きていくのはどうでしたか?
私は18歳まで三重にいたんですが、自分は子供だったので、あんまりわかっていなかったですね。村八分とかあったかもしれませんが。自分の中では、それが自然な環境でした。
あとは、「文化がない」。
ーああ、文化が。
映画も演劇も知らないし、知っているのはテレビの中の情報しかない、という感じで。両親とも三重県の人で、親からも文化的なものは受け継いできていないですね。
ーたしかに、“文化的資本”って親や周りの環境から得られる部分が大きいですもんね。
子供の頃に劇団四季とか連れて行ってもらわなかったです。
ーそんな中で、なぜ山中さんは演劇をやるようになったんでしょうか。
高校演劇から初めて、高校2年生のときに、NODA・MAPの「南へ」っていう作品を観に行ったんです。高校演劇で野田秀樹さんの台本を演っていたので、野田さんの本物の舞台を観たくて。で、観に行った次の日が東日本大震災で。ギリギリ観られたんです。
ーすごいタイミングで観ることができたんですね。
そのNODA・MAPを観たことがきっかけで、演劇の道を選ぶことを決められたのでしょうか。
そうですね。アンサンブルの方がいっぱい出てくるんですが、私は高校で目立つ存在でもなかったし、どっちかというハブられてるみたいな感じだったんですが、NODA・MAPのアンサンブルの方たちを観て、「あ、色んな人がいる。すごい!」、って思ったんです。オーディションに3回落ちましたが(笑)。
ーその3回オーディションを受ける心意気が素晴らしいと思います!
では、「たまたま」の舞台についてお聞かせください。
ご自身の役どころを教えてもらえますか?
私が演じるのは、多摩ニュータウンに生まれ育った小学一年生の女の子の役です。
今聞かれて、役のことあんまり考えてないな、って思いました(笑)。かっこつけてるわけじゃないんですが、「自分」って感じです。自分そのままで演っている感じがあります。
ーそうなんですね。だから「考えてない」んですね。
そうですね。(共演する役者の)みなさんがいろんなことをやってくださるので、それを(役と)一緒になって驚く、っていう感じです。
ー受ける側、という感じでしょうか。
そうですね。それが新鮮でたのしいですね。
ーでは、最後に観に来てくださるお客様へメッセージをお願いします。
多摩じゃなくてもいい、多摩に限定しなくてもいい、と思っていて。街が生きていく、人も生きていく。それがたまたま「多摩」だった、というお芝居だと思います。人が街を作っている、その「街づくり」の部分が面白いと思います。街と人が一緒に成長していく姿が。 ……ご期待ください!(笑)
ー期待しています!ありがとうございました!
*
写真を撮るときに、山中さんがちょうど髪を結び直そうとしていて、そのポーズがかわいかったのでそのまま撮らせていただきました(笑)。
稽古場でも何度か拝見させていただきましたが、山中さんが演じられる小学生の女の子、とっても魅力的なんです。ちょっと「千と千尋の神隠し」の千尋を思わせるような、思わず「がんばれ!」って応援したくなるような。
彼女と一緒に、ぜひ多摩のワンダーランドへ迷い込んでみてはいかがでしょうか。
ぜひご期待ください!
《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」
8月4日(金) 19時30分開演
8月5日(土) 14時開演/19時開演
8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール
http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html
<twitter>
「たまたま」出演者、前原麻希さんにインタビュー!
こんにちは、市民スタッフTです。
「たまたま」出演者インタビュー、今回は前原麻希(まえはらまき)さんにお話を伺いました!
前原麻希 1989年生まれ。東京都出身。2012年より約4年間蜷川幸雄の元で演出助手として活動した後、2017年より本格的に役者を目指す。主な出演作として、NODA・MAP「ザ・キャラクター」蜷川幸雄演出「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~」「青い種子は太陽のなかにある」 劇作家女子会「人間の条件」、七味の一味「家族百景」。映像では、瀬々敬久監督「菊とギロチン -女相撲とアナキスト-」 に出演し、2018年に公開が控えている。
―まず最初に、ワークショップで多摩センターを歩いてお芝居をつくったと思うんですけど、多摩ニュータウンの印象を教えて頂けますか。
印象…でも本当に知らない町でしたね。同じ東京って言っても私は下町に住んでいるので…。
―どのあたりですか?
江東区の方なんですけど。私が住んでいるところは車が横を走るのが当然っていうか、ちゃんとした歩道がない道も普通にあるのでそれが当たり前だと思ってたんですけど、なんかこれだけ歩道と車道が分離されてるっていうのが余りにも衝撃的で。まずオーディションからだったんですけど、その衝撃が。
―オーディションが初めての多摩センターですか?
初めての多摩センターでした本当に。だから多分これがなかったら行くこともなかったし、サンリオピューロランドがどこにあるかも知らないまま、子供ができなかったら一生来なかったかもしれないし。
唐木田っていうのは千代田線乗っていると「唐木田」って出てくるので、名前だけは知っていても「あー、遠い場所なんだろうな」ぐらいだったんですけど。端っこの駅っていうのに行ったことがなかったので、車両がたまっているとか、誰もいないガラーンとしたきれいな塗装された駅が普通にあるっていう状態がすごく新鮮でしたね。なんか東京のはずなのに、違う国に来たぐらいの。
※唐木田:小田急多摩線で小田急多摩センターの隣の駅であり、終点。車庫がある。小田急線と千代田線は相互乗り入れをしており、千代田線綾瀬駅から「唐木田行き」という電車が出ている。
―そんなに!?
はい、なんかヨーロッパって建物が違うじゃないですか。それとちょっと似たような印象。レンガ造りで、別に日本人がいるし日本なんですけど、自分が親しみ馴染んできたのと全く違う街並みだったので。ちょっと憧れた部分もありました。
―最初の印象が街並みの印象だったと思うんですけど、実際に市民の方とお話をしたり町の中を歩いてみて別の要素が見えたりしましたか?
あ、でも町を歩いていくとやっぱり日本的な「どっかで見たことあるな」っていう、公園があって普通の道があって道路があって…っていう道になってきたので、奥に行けば行くほど「あ、日本なんだな」っていう感じになって(笑)やっぱり駅はちょっとお化粧されてるっていうかなんかちょっときれいなんだろうなって。
―サンリオ感もすごいしみたいな(笑)
そうですよね(笑)多摩ニュータウンっていう響きを聞いてたまたま多摩センターにきて、「あ、新しい街並みなんだなこれが」っていう印象があったんですけど、お話しした市民の方も東京から来たとか地方からって方もいたので。段々距離は縮まりましたね。
―ちょっと歩くとなじみも出たみたいな感じですか?
そうですね。
―じゃあ地元のお話をちょっと聞かせて頂きたいんですけど。多摩ニュータウンの雰囲気とはまた打って変わってっていう感じですか?
そうですね。なんでしょうその、下町って一言で言ってしまえば下町ですし。ほんと何の変哲もない場所なんですけど…
―下町っていうと人情というか、なんか商店街歩きながら「おはよう!今日も元気?」みたいな感じで人のつながりが強いイメージがあってニュータウン出身の私は憧れるんですけど、そういうのあったりしますか?私は小さい頃新しいマンションに引っ越してからご近所づきあいもあまりなかったので…。
あ、お隣さんは仲いいですね。作りすぎちゃったわとか、いっぱい届いたんだけどとかあったら、うちの母親も渡しに行ったり、そしたらお礼が来たり。で小学校も近くにあるので、子供がいて、いじめてたら「駄目だよ」って言ったりとか。やっぱりあとご近所に絶対一人はいる、うるさいおばちゃんがいるんですけど、その人の事は私大好きで。よく出かけるときに「あ、今日早番?」って。舞台だから早番とかないんだけど「あそうでーす!」とか言って。なんかそういう人が一人いて、「おはよう」とか「あんた元気なの?」とか話しかけてくれるだけでその町の治安が守られてるっていうのをすごい思って、大事だなと思ってますね。
―今でも地元に住んでいるということですが、出たいとはそんなに思わないですか?
そうですね。まあ実家暮らしなので、そろそろ一人暮らしをしなきゃなみたいなことは思うんですけど…。あとまあ全然まだないですけど、結婚とかちょっと考えたりすると、なんかね、みたいな感じになりますよね。
―結婚して子育てするとしたら、自分の町がいいですか?
それこそ本当に多摩センターは車の通りがないことと買い物が便利っていうことで、いやー子育てには良い町だなっていうのをずっと言ってるんですよね。
―買い物が便利っていうのはどういう…洋服とか?
パッと駅見るだけで何でもあるじゃないですか。イトーヨーカドーもあれば、飲食店とかも一通りあるし、なんか不自由なさそうだなっていう気が勝手にしてるんですけど。
―確かに子育てには、公園もあるし良い町かもしれないですね。じゃあちょっと今回の公演の話にうつりまして、役どころなどをお伺いできますか。
どちらかと言えば「今まであった昔の多摩をそのまま守り続けたい」みたいな役どころというか、「平成狸合戦ぽんぽこ」で言うところのタヌキのポジションになるのかなっていう感じで。移り変わっていく時代を受け入れられない人。でも時代には逆らえないし、やっぱ国が決めたことだから、抵抗はするけども流されていて受け入れていくっていう役どころなのかなという風に思ってます。
―最後に、観に来て下さる方に一言メッセージをお願いいたします。
本当に歩けば好きになる町だと思うので、まず公演を観に来るっていう口実で来ていただいて、更に町を感じて頂けたら多摩を知らない方でも好きになって頂けると思います。もちろん多摩に住んでいる方にも観て頂いて、今住んでいる町に対してもっと色々思い描いたり、自分と物語の中の誰かを重ね合わせて色んなことを思い出せるような、そういう瀬戸山さんの思いやこだわりがすごく詰まっているので、是非パルテノン多摩までお越しください!
―ありがとうございました!
全くなじみのなかった町でも、そこに住む人と話して町の中を歩けば距離が縮まって自分の好きな町になる。この町のことを全然知らなかった前原さんが「多摩を好きになってほしい」と言ってくださったことを嬉しく思うと同時に、このお芝居を機に訪れたかたも同じように思ってくれたら良いなと思いました。
さて、「たまたま」いよいよ本番が迫ってまいりました…!多摩センター、ピューロランドも温泉も公園もあります。是非、観劇にいらして、どんな町か歩いてみてくださいね!!
《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」
8月4日(金) 19時30分開演
8月5日(土) 14時開演/19時開演
8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール
http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html
<twitter>
https://twitter.com/tamatama201708
「たまたま」出演者、石田迪子さんインタビュー!
こんにちは。「たまたま」市民スタッフのしおりです。
今回は、「たまたま」にご出演される舞台・映像・ナレーションと様々なジャンルで活躍されている石田迪子さんのインタビューを行いました。
石田迪子
1986年生まれ。東京都青梅市出身。2009年に文学座附属演劇研究所を卒業後、舞台・映像・ナレーションなどで活動。
近年は、単独で朗読ライブも主催する。主な出演作に、ミナモザ『みえない雲』・岸田國士『恋愛恐怖病』
あやめ十八番『ダズリング=デビュタント』・青☆組『時計屋の恋』、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』など。
【石田さん、歩車分離に感動】
―青梅出身ということですが、多摩にはあまり馴染みはないのでしょうか?
そうですね…、でも、青梅は「西多摩」と呼ばれることもあるんです。あとは、青梅の奥には「奥多摩駅」があって。そっちには馴染みがあるんですが、「多摩市」となると馴染みはないですね。
―では、ほぼ初めてくらいですか?
サンリオピューロランドには小っちゃい頃に行ったことがあって。後は、パルテノン多摩の劇場に仕事で数年前に行ったことがあるので、多摩センター駅の周辺の状況は記憶にあるのですが、それくらいですね。
―多摩ニュータウンの印象はどうですか?
まずは緑が豊かだなあっていうのと…、あとは、やっぱり歩車分離に感動しました。
ワークショップの後に一人で歩いたんですけど、あの、私、まんじゅう山を見てなくて(※)…今回のお芝居では、まんじゅう山がキーというか、エピソードとして出てくるんですよ
※ 石田さんはワークショップでは唐木田方面へ街歩きをし、唐木田に関するお芝居を作るチームに参加していました。
―最初の頃のワークショップで、まんじゅう山でやたら盛り上がっている印象はありました。
そうそう。他の出演者さんのまんじゅう山でのエピソードを聞いて、これは一度見たいな、と個人的に行ったときに、
最初、Googleマップに沿って歩いて行ったら車道の方に出て…。
あれ?歩車分離って言いつつ、普通に隣で車が走っているな…、と思いながら、鶴巻東公園のまんじゅう山に行ったんです。それで帰りに、同じルートで戻ろうと思っていたら、向こうに大きい歩道橋が見えて。自転車が走っていたり、小っちゃい子が歩いていたりしたので、(歩道橋を)歩いて行ったら車の通りにもぶつかることなく、多摩センター駅まで行けて。
多分10分くらい歩いたんですけど、車道に出ることなく駅に着いたー!と思って、すごく感動しました。
―歩車分離文化に!(笑)
そう!すごい!私、今、恩恵が!(笑)恩恵がわかった!って(笑)
私はわりとのほほんと「あー、着いたー、一本道でラクー…」みたいな印象だったのですが、子育てしている出演者さんやワークショップ参加の実際住んでいる方でも「歩車分離」っていうことを言っていて。それがこんなに魅力的なんだなあって思いました。
―確かに私も(歩車分離に)気づきませんでした…。
ほんとに!それは中々、自分が育った環境にはなかったな、と。歩道橋はあるけど、普通に踏切もあるし、車がブーンって通っているところの端っこを小学生の時も中学生の時も歩いたり、自転車で通っていたりしたので、こんなに…、便利というか、生活している人と車を分けるのがストレスフリーなんだなあって…。
【実際の証言と現在と夢の世界の多重構成で作り上げられていく瀬戸山作品】
―今回の「たまたま」での役どころをお聞かせいただけますか?
瀬戸山さんの作品の特徴の一つとして、メインの役はありつつ、いろんな役をとっかえひっかえやる作品が結構あって…。
今回もそんな感じでメイン役もやりながら、他の役もやる、という感じです。
私のメインの役は、あゆみちゃんという小学生のお母さんの役で、大人側の役です。
子供側のみを演じる出演者もいれば、大人側のみを演じる出演者もいれば、子供側と大人側両方を演じる出演者もいます。(私は)子供側ではなく大人側の役目をいただきました。
今回は、「現在」と「夢の世界」と…、あと実際の「証言」を元にしたシーン(「私」っていう役の振り方です。でも、何の「私」であるかは、母であったり、父であったりとそれぞれなんです)と。そういう色々なパートがある多重構成になっています。
―以前、ミナモザで瀬戸山さんの作品にも出演されていますが、今回の「たまたま」との違いはありますか?
まず、第一前提としてパルテノン多摩の企画として発信していて、多摩ニュータウンという街を題材にするってところが…。
美咲さんの作品だともう少し社会派寄りな部分を描いているのですが、今回は街っていうものを(描いていて)、しかも失われた街でもなく、これから作る街でもなく、今現在住んでいる人がいる現在進行形の街を題材にするっていうところは、いつものミナモザとは違うんじゃないかあって思います。
【自分達の街についての発見ができる作品に】
―それでは最後に「たまたま」を観に来てくださる皆様へのメッセージいただけますか
どんどん面白くなる作品だと思います。多摩ニュータウンの「今」だけでなく、「過去」それから「未来」、それを時空を越えて描いている作品だなと。今実際住んでいる人がこの作品を見て「こういう街なんだ」って気づかされることもあるし、多摩ニュータウンを知らない人が「こういう街があるんだ」という良い意味での発見にもなるし…。自分が住んでいる街はどうなんだろう、とか、考えるキッカケにもなると思います。多摩ニュータウンに住んでいる人も住んでいない人も楽しめる作品になんじゃないかなって思います。
一つ一つの言葉を大事に選びながらインタビューの質問に答えてくださった石田さん。
ゆっくりと落ち着いた雰囲気でお話ししていただいたおかげで、こちらもリラックスしてお話を聞くことができ(ありがたい)、とても温かみのある空気が流れた時間になりました。
「たまたま」はいよいよ今週から始まります!
「たまたま」を通じて、ご自身の街を、多摩ニュータウンの魅力の発見をしていただけたら幸いです。
《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」
8月4日(金) 19時30分開演
8月5日(土) 14時開演/19時開演
8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール
http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html
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By 市民スタッフ・しおり