「たまたま」出演者、吉田能さんにインタビュー!
こんにちは、市民スタッフのTです。
「たまたま」出演者インタビュー、今回は多摩センター出身の吉田能(よしだたかし)さんです!
吉田能 1985年生まれ。東京都出身。多摩市には小学校入学時より20年以上住み続けた。三兄弟トリオバンド「花掘レ」、コントユニット「PLAT-formance」所属。舞台への楽曲提供、演奏、俳優としての出演など、幅広く活動している。主な出演作に『神の左手』(キコ/qui-co.)、『奇跡の年ANNUS MIRABILIS』(趣向)、『ダズリング=デビュタント』(あやめ十八番)など。
―吉田さんはもともと多摩センターにお住まいだったんですよね。
小学校一年で和光学園っていうところに通うことになって、そこに通うのがきっかけで多摩センターの団地に引っ越すことになりました。
―子供のころは街にどういう印象を持っていましたか?
一番最初は、引っ越し先の家の前の持ち主がまだ撤去が終わってなくて、駅前の京王プラザホテルに家族で泊まってたんですよ。そっから電車で学校に通ってて。で、今日から新しい家に行くぞっていったらあのレンガ坂を延々と登っていくんですよね。それでやっと着いたーと思ったら更にそこの5階で、また上がって…だったんで「めっちゃのぼるなー」っていう印象でした。よく兄弟で自転車で遊んだりしてたんですが、そうするとやっぱり坂が多いのですごく良い運動になるなっていう感じで。
―学校がちょっと離れていますが、結構多摩で遊んだりもしてたんですか?
そうですね、当時は同じ団地の中の子供と一緒に遊んだりしてました。なんか、まあサッカーとか。
―私も南大沢にずっと住んでいるんですが、多摩センターって大通りに縁日が出たりとか、カリヨン館(かつて多摩センターにあった小さな映画館)で映画見たりとか、ピアノの発表会とかちょっとイベントに行く場所だったんですよね。何かそういう街なかでの思い出とかはありますか?
昔パルテノン多摩でストップモーションアニメの祭典っていうか特集みたいのをやってたことがあって。小学生だったと思うんですけど、そこでヤン・シュヴァンクマイエルの特集とかやってて「すごいもん見たな」っていう感じがして。
※ヤン・シュヴァンクマイエル:チェコスロバキア・プラハ生まれのシュルレアリストの芸術家、アニメーション作家・映像作家、映画監督。作品では「食べる」という行為を頻繁に扱うが、作中に登場する食べ物は不味そうに見えたり、執拗なまでに不快感を催すような描写がされたりする。(Wikipediaより)
―結構小学生には難解というか
衝撃的でした。なんかこう生理的にくるものがあって、でもすごい面白くて。もう家族で、「すごかったねあれ」みたいな話をしたりとか。それこそ駅前のお祭りもよく行ってたし…あとあれですね、駅前でいうと、僕引っ越したころは三越がまだそごうで。で、十字路のところに大きい時計があって。
―ありましたね!!!
あれ何回見ても足が止まっちゃうっていう。それからやっぱりクリスマスのツリーは毎年楽しみでしたね。
※多摩センターでは毎年冬、クリスマスの時期に大階段前に大きなクリスマスツリーが出現する。街全体を彩るイルミネーションは冬の風物詩になっている。
―多摩センターってイベントも移り変わっているというか、それこそイルミネーションとか、あと最近は演劇のフェスをやったり結構変化させようとしているイメージがあるんですが、小さいころの印象と今の印象で違うところ、またここは変わらないぞっていうところはありますか?
なんか最初まだどうなるかわからないスペースってのがいっぱいあったと思うんですよ。駐車場に大きいスクリーンを建てて、映画館みたいにしたりとか、ひたすら空き地があったりとか。で、そうだなぁ、なんか僕はどちらかというとそのままでもよかったぐらいの人で。どこまでも景色が見えて、広々としてるなぁっていうのが僕の最初の印象だったし、そういうところで好き勝手兄弟と遊んだりっていうのがすごく楽しかったので。コンビニもなかったですから。そういう意味ではどんどん便利になってきているし、お店とかイベントとか色んなものを見ても、外から人に来てほしいっていう工夫がどんどん進んでるなっていう風に思う。でもやっぱりなんか…うーんうまい言い方がちょっとみつからないんですけど、どっかあか抜けないっていうか(笑)だから、頑張ってるんですよねすごく。ただ商業的なところとか資本主義的なところにあと一本乗り切らないというか。でもまあそのほうが住んでる人的にはちょっと安心するというか。
―結構、これなんで作っちゃったのとかありますよね(笑)
そうそう迷走するじゃないですかたまに。僕今でもあれは何だったんだろうと思うのは、どっかの年だけイルミネーションのクリスマスツリーがソフトクリームみたいな物体になったことがあって。それたしか多摩美かなぁ?かなんかの学生とコラボしようっていって。でソフトクリームみたいな物体が突然出てきたんですよ。
―え、木じゃないってことですか?
木じゃなくてクリスマスツリーのサイズの真っ白な物体が突然出てきて。なんか照明でときどき薄ピンクになったりちょっと色が変わるみたいな。「これはなに?」って全員がなったっていうことがあって。確か2年ぐらいで元に戻ったんだと思うんですけど。
―コラボしてる感じ?
そうですね若い人たちとコラボして新しいことしようっていうのがちょっとなんか、あれしたみたいな。
―でもまぁなんか、そういう残念さもちょっと愛おしいみたいな気持ちありますよね。
そうなんですよ。あぁ、頑張ってるけど、もうひとつだけどそんぐらいでいいよって。
―逆にここはちょっと…とかありますか?
うーんそうだなぁ、そんなにはなくて。結局ベッドタウンなんだと思うんですよ。夜11時にはほとんど人も歩いてないし。だから住みやすい場所であれば良いのかなみたいな気はしてて。なので、どっちかっていうと外からお客さん呼ぼうと頑張って迷走したときに「おいおい」ってなる…ぐらいですかね。なんか、もうすごく長いこと多摩に住んじゃったので、割とそこ基準になってしまったっていうか。
―長い目で見るのが当たり前みたいな。
そうそうそう。
―ありがとうございます。じゃあちょっと公演の話にうつりまして、今回の役どころについて教えてください。
僕は割と全体を見守ってる存在みたいな感じで。事件に巻き込まれるっていうよりは、それを外から見ながらピアノを弾いてる。でも多分、多摩の人が幸せであることを望んでいる…まあ、幸せになったら良いなっていうふうに見てる人?かな?
―じゃあ結構ご自身の感情とリンクするところもあったりしますか?
そうですね。長い目線で眺めてるっていうところはそうかもしれないです。
―それでは、最後に見に来てくださる方にメッセージを一言お願いします。
もしかしたらこれはどこにでもある話かもしれないし、すごく多摩のローカルな話かもしれない。けどきっと何かみんなの思い出に引っかかるところがあるし、すごくまっさらな気持ちになれるお芝居だと思うので、ぜひ大事な人と一緒に見てください!
―ありがとうございました!
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☆おまけ・吉田さん多摩おすすめスポット☆
長崎らーめん西海 多摩センター店
http://tokyosanpopo.com/archives/18992(東京散歩ぽさんによる紹介記事)
吉田さんが毎週末家族で行っていたという、京王線沿線に展開するラーメン店の本店。とにかく「安くておいしい」とのこと。スープがなくなり次第終了とのことですのでご注意を。少し駅から歩きますが、ご観劇の際に是非行ってみて下さい!
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長い間、多摩の内側からその移り変わりを見つめてきた吉田さん。街へ注ぐ眼差しからは、住民ならではの愛情のようなものを感じました。そんな吉田さんが舞台上で見守る「たまたま」の世界、どのような物語となるのでしょうか?是非、劇場でご覧くださいね!
《公演情報》 多摩ニュータウン×演劇プロジェクト「たまたま」
8月4日(金) 19時30分開演
8月5日(土) 14時開演/19時開演
8月6日(日) 14時開演 ※上演時間:2時間予定 パルテノン多摩 小ホール
http://www.parthenon.or.jp/act/2996.html
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